なぜ、イスラエルは強いのか?

昨日、イートロ (eToro)というオンライン証券の主催で、Nano Dimensionという企業のCEOのウェビナーを視聴しました。ウェビナーの内容は、過去記事にまとめてありますので、こちらからご覧ください♪

さて、このイートロ (eToro)とNano Dimension、この2つの企業の共通点はなんなのか、みなさんにはわかりますか?

それは、どちらもイスラエル企業だ、という点なんです。

ユダヤ人国家、イスラエル

イスラエルは、言わずと知れたユダヤ人の国です。ユダヤの民は、迫害されて世界中に散らばってしまいましたが、数千年もの間、自分たちの土地に戻ることを夢見続けました。

その彼らの念願がかなって、イスラエルという国が建設されたのが、1948年。第二次世界大戦直後のことでした。

イスラエルという国は、アラブ勢力の強い中近東では特別な存在です。なぜなら、それはもちろん宗教が違うからですね。イスラエルを囲む国々は、すべてアラブ国家であり、イスラム教徒の国なのですが、そんな中にたった一つ、ユダヤ教徒の国がぽっかりと存在しているのです。

イスラエルの強さ

アメリカや中国、日本、インドなどの経済大国の影に隠れて、あまり大きく取り上げられませんが、実は、イスラエルが持っている力は計り知れない、と私は思っています。

それは、コロナのパンデミックという、全世界を巻き込む緊急事態が発生した今、よくわかります。

現在、コロナワクチンの配分の不平等が指摘されていますね。お金のある国、また、権力のある国がワクチンを独占してしまっているので、発展途上国などにはワクチンが供給されていない、という問題です。

そこで考えてみたいのですが、今現在、コロナワクチンの接種が最も進んでいる国は一体どこでしょうか?それは、アメリカでも中国でもヨーロッパでもなく、イスラエルなのです。

コロナワクチンの供給量や接種のスピードなどを見ていると、その国が持っているコネクション、財力、そして、決断力などが如実に反映されているように思います。

日本は、先進国の中でも特にワクチン接種が遅れていて、どうしても「国力のなさ」、というものを感じずにはいられません。

こうした緊急事態にこそ、表面的には見えない本当の権力というものが浮き彫りになるように思えてならないのです。

ビジネスの達人、ユダヤ人

ロスチャイルド、という名前は、誰でも一度は聞いたことがあると思います。世界に名を轟かせる大富豪の家系です。ワイナリーなども多く所有していることから、「ロスチャイルド」という名前のワインを飲んだことがある方も多いかと思います。

創始者であるマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドは、ゲットーと呼ばれるユダヤ人隔離地区で生まれました。1744年のことのようです(出典:ウィキペティア)。

ドイツと始めとするヨーロッパでは、カトリック系キリスト教が権威を持っていましたので、カトリックの門下にくだらず独自の神と信仰を貫くユダヤ人たちは社会的に認められていなかったのです。

そこで、彼らは貴族や農民などで構成される封建制度に組み込まれることができず、独自で商売をすることが余儀なくされた訳なのです。

そこで、ユダヤ人は、知恵を使って、商取引など、社会的地位がなくともできる仕事をしていました。宗教が違っていようとも、社会的地位がなかろうとも、人は自分の欲しいものを安く売っているお店には買い物に行くからです。

また、キリスト教では利子のついた金貸しを禁じられていましたが、ユダヤ教では禁止されていません。そこで、お金に困っている人などにお金を貸して利子を儲ける、というビジネスができるのはユダヤ人だけでした。そのせいで、ユダヤ人は高利貸しでお金を儲けることができ、それを見たキリスト教徒が嫉妬で更にユダヤ人を迫害する、という背景がありました。

私たちは、資本主義と聞くと、「金が金を産む」、まさに株式投資などの世界を思い浮かべてしまいがちですが、実はそれはちょっと間違っています。資本主義というのは、もともとは「個人が私的財産を持つことが許されている、また、その資本をもとに商売や事業ができる」という国家運営スタイルのことです。そこからどんな風にお金を儲けるか、というのは資本主義の本質には入っていません。

では、そこからどんな風にお金を儲けるのか。ここがユダヤ人の得意なところです。例えば、ロスチャイルド家の創始者であるマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドは、希少価値のある珍しい貨幣には市場価値があるということに気付きました。

そして、それをお金持ちのところへ売りに行く訳です。それも、ただ売りに行くのではなくて、きれいなパンフレットを作ったり、また、その貨幣に関する情報などもしっかりと集めてセールストークが出来るようにして行くのです。

そうやって権力者のふところに飛び込んで行き、次第に寵愛と信頼を得るようになったマイヤーは、貴族の御用商人となって、資金の運用などをまかされます。今で言うところの会計士とか、税理士みたいなもんでしょうか。そして、得意の金貸しを活かして、他の王侯貴族への金貸し傭兵貸し付け業なんかを行っていきました。

その後、ロスチャイルド家は、マイヤーの5人の息子たちによって飛躍的に財産を増やし、一時はフランス1カ国の財政予算を上回る規模の資産を持っていたそうです。もしかしたら、今はもっとすごいことになっているかもしれません。

ロスチャイルドは、ユダヤ人富豪を代表するような名前なのですが、商売が上手なのは何も彼らに限ったことではありません。ユダヤ人は、とにかくビジネス上手。子どもにもそう言った教育をして、富を守るだけでなく、増やしていくことに長けています。

ユダヤ人のゲーム

こういった歴史を見てもわかるように、現在のような金融業界の仕組みや、お金の増やし方ビジネスのやり方、なんていうのは、もともとがユダヤ人たちが考案したゲームなわけです。

そして、自分たちのゲームなんですから、そこで勝てるのはユダヤ人に決まってます。

それに、ユダヤ人同志の結束が非常に固い、ということもあります。同じ苦しみを味わい、同じ思いをしてきた同胞だけのことはあって、ユダヤ人はお互いのことを強く信頼しています。

そこで、ユダヤ人がビジネスをするなら、ユダヤ人をパートナーに選ぶのはもっともな話です。そうやって、ユダヤ人の富が別のユダヤ人に富をもたらす、というユダヤマネーサプライチェーンが出来る訳です。

イスラエル企業の強さ

革新的なイノベーション企業に投資するARK社は、イスラエル企業だけをまとめた「Israel Innovative Technology (IZRL)」というETFを持っています。

”ARK社は、革新的な商品やサービスの開発において世界を牽引していくのはイスラエルだと信じています。

と、自社のウェブサイトに書かれていますが、ARK社のキャシー・ウッドさんも、イスラエル企業の強さがよくわかっているんだと思います。

もちろん、NanoDimensionもイスラエルの企業で、ARK社のETFには組み入れられています。

イスラエル企業に投資する?!

以上のような理由から、私はイスラエル企業は恐ろしく強い、と思っています。

でも、だからと言って、イスラエル企業に盲信的に投資をする、というのは危険すぎますよね⚠️。ちゃんと企業分析をしないといけないでしょうし、株価が適正なところにあるかどうかも見極めなければならないとは思っています。

そういえば、イートロ(eToro)というオンライン証券会社があるのですが、それもいよいよ上場するそうです!このイートロは、イスラエルの企業で、ヨーロッパ中にビジネスを広げている、いわば「ヨーロッパのロビンフッド」と言った感じの企業です。

イートロについては、過去記事でも書いていますので、ご興味のある方は是非こちらから覗いてみてくださいね╰(*´︶`*)╯♡。

参考文献:
ロスチャイルド〜富と権力の物語〜、Derek Wilson著、本橋たまき訳、新潮文庫

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